external E1/E2は、OSPFの再配布に関係する内容です。
1台のルータにexternal E1とE2両方の経路情報が来た場合、どちらの経路を優先するかは決まっています。以下に解説します。
external E1とexternal E2 はどこの設定?
まずは、OSPF E1/E2の設定がどこで設定されるの表します。
※デフォルトはexternal E2です。
【external E1の場合】
router ospf 1
redistribute static metric-type 1 subnets
【external E2の場合】
router ospf 1
redistribute static subnets
シードメトリック
シードメトリックはついて、最初よく分からない分野かもしれません。
OSPF再配布では、シードメトリックがポイントになりますので避けることができません。
(Static/RIP/EGIRPから)ospfのデフォルトシードメトリック値は20です。
(BGP)ospfのデフォルトシードメトリック値は1です。
そもそも再配布とは、OSPFではないルーティング情報をOSPFで広報しましょう。ということです。
例えば、EIGRPのメトリックはOSPFとは全く違う取り決めがあります。そこで、OSPFに広報する場合は、OSPFのシードメトリック(デフォルト20)
を付けて元々はEIGRPだった経路をで広報してあげましょう。ということです。
シードメトリックの変更方法
ospfのデフォルトシードメトリック値はは変更ができます。
IOU2(config-router)#default-metric ? ←ここに数値を入れます。
<1-16777214> OSPF default metric
補足:再配布元のルーティングプロトコル紹介
今回の例はstaticを再配布しますが、他にも様々なルーティングプロトコルを再配布できます。
router ospf 1
redistribute static subnets //今回は「Static」再配布のため、redistribute staticになります。
【他のルーティングプロトコル】
redistribute 〇〇 //〇〇には以下のパラメータが入ります。
bgp/connected/eigrp/isis/iso-igrp/lisp/maximum-prefix/mobile/odr/※ospf /ospf v3/rip
※processIDが異なるOSPFの再配布
OSPFの経路選択優先順位
ここからが本題です。
OSPFでは「external E1」でもらう経路は、 「external E2」でもらう経路より優先されます。
「external E2」の途中経路のCostが 「external E1」より低くても、 レイヤ3機器は「external E1」経路を選択します。
OSPF経路選択優先順位
- intra-area (エリア内ルート:同じエリア)
- inter-area (エリア間ルート:エリアをまたぐルート)
- external E1 ←今回はここ( 再配布時、metric-type 1設定 )
- external E2 ←今回はここ( 再配布時、metric-type 2設定 )
NW構成
- Router#3/#4にそれぞれ[static route] 設定。 宛先はRouter#5のLoopbackアドレス 5.5.5.5
- Router#3/#4の[static route]をそれぞれOSPFで再配布
- Router#3では「external E1」で再配布を設定
- Router#4では「external E2」で再配布を設定
- 赤字の数値は設定したOSFP Cost
Router#2は、5.5.5.5への経路をRouter#3 / Router#4 の両方からもらうものの、Router#3からの経路を採用します。
【理由】
Router#3では「external E1」で再配布したためです。
- Router#2は、5.5.5.5への経路をRouter#3からもらう場合、Costは120 (100(Router2設定Cost)+20(シードメトリック))
- Router#2は、5.5.5.5への経路をRouter#4からもらう場合、Costは20 (20(シードメトリック))
- 1,2よりCostで優先、非優先を決めるのではなくexternal E1かexternal E2で決めています。
- external E1の場合、経路上のCostを加算します。
- external E2の場合、経路上のCostを加算せず常にデフォルトシードメトリックで計算されます。
まとめ
- external E1は、external E2より優先される
- OSPFの再配布時、通信要件、設計によりexternal E1、external E2どちらを採用するか考慮が必要
- OSPFの再配布時、シードメトリックは常に付きまとう
- external E1 vs external E2では途中のOSPF Costは関係ないので、経路途中のOSPF Costを変更しても無駄