昨今ビデオ会議システムの提案案件が多くなったので、システムで利用するディスプレイの特徴、機能を把握する必要が出てきた。基本的な項目について、以下にまとめる。
主な用語
- FPS = Frame Per Second
- リフレッシュレート = 単位 [Hz]
- 1inch = 2.54cm
- 画素 = ピクセル(Pixel)
- 画素密度 = ppi (Pixels per inch)
- ppi = 1インチのあたりのピクセル数
- 点 = ドット (Dot)
- dpi (Dot Per Inch) = 1インチのあたりのドット数
リフレッシュレートとFPSの違い
- リフレッシュレート:モニターが静止画を更新する回数
- FPS:PCカメラ等が静止画を出力する回数
リフレッシュレート
リフレッシュレートは、1秒間にモニターが静止画を更新する回数を示す(単位:Hz)
モニター仕様によりHz値が異なる。
例として、60Hz = 60回/秒、144Hz = 144回/秒、240Hz = 240回/秒などがある。
例えば、Dell P2720Dディスプレイの場合: リフレッシュ:75 Hzがスペックなり
75Hz = 75回/秒 静止画像を更新する仕様となる。
- 最近の家庭用テレビ 約60Hz
- 一般のPCディスプレイは 約60Hz ~ 120Hz
- ゲーミングディスプレイ 約120Hz ~ 240Hz
- 映画 = 24 fps (23.976fps)
- テレビ= 30fps
FPS
FPSは、PCが1秒間に映像を出力する回数 (テレビ会議の場合、カメラの仕様)
FPS30の場合、カメラが1秒間に30枚の静止画を撮影し、PCがパケットを作り相手に送信する。
- 映画 = 24 fps (23.976fps)
- テレビ= 30fps
- PS5 = 最大出力可能 120fps
ビデオ通話の場合
各ビデオ会議システムのFPS
- Microsoft teams : 7.5 ~ 30 fps
- zoom : 最大30 fps
- Skype : 最大30 fps
HD / Full HD / 4K / 8K ディスプレイ仕様一覧
種別 | Full Spell | 別名 | 解像度(pixel) | 画素数 | アスペクト比 |
HD (720p) | High Definition | ハイビジョン | 1280 x 720 | 約92万画素 (921,600) | 16:9 |
Full HD (1080p) | Full High Definition | フルハイビジョン | 1920 x 1080 | 約200万画素 (2,073,600) | 16:9 |
4K (2160p) | – | ウルトラハイビジョン | 3840 x 2160 | 約800万画素 (8,294,400) | 16:9 |
8K (4320p) | – | スーパーハイビジョン | 7680 x 4320 | 約3300万画素 (33,177,600) | 16:9 |
[Full HD] VS [4K]
Full HD (High Definition)
Definition = [鮮明・解像]度は意味
4Kと比べた場合
- 画面あたりのpixel数が少ない(=画素密度が低い)
pixelが多いほど画質はきれいになる - 1080 pixel から1080Pと表現されることがある
- 2Kと表現されることがある
4K
DCI 4K (4096×2160) = 映画、カメラ用
4K UHDTV(3840×2160) = テレビ放送、テレビ受像機、ディスプレイ用
このサイトでは、ビデオ会議システムのディスプレイがメインのため、4K UHDTVを前提とする。
Full HDと比べた場合
- 画面あたりのpixel数が多い(=画素密度が高い)
pixelが多いほど画質はきれいになる - 横幅はFull HDの倍のpixel数を持つ( Full HD 1920 pixel vs 4K 3840 pixel)
- 縦幅はFull DHの約倍のpixel数を持つ(Full HD 1080 pixel vs 4k 2160 pixel)
- ズームをした場合、より鮮明な画質を保つことができる
- デメリットとして、データ容量が莫大になること、PCのスペックがある程度要求される
- スポーツなどのアクティブな動き、ズーム、スロー再生などがないのであれば、Full HDの方がナチュラルという意見もある
各ディスプレイインチ別「ppi」と「総画素数」
HD/FHD/4K/8Kごと、ディスプレイサイズが変わっても総画素数は同じになる。
よって、ディスプレイサイズが小さいと画素密度が高く、ディスプレイサイズが大きくなると画素密度が低くなる。
サイズ | HD(1280×720) | FHD(1920×1080) | 4K(3840×2160) | 8K(7680×4320) | ||||
画素密度(ppi) | 総画素数 | 画素密度 (ppi) |
総画素数 | 画素密度 (ppi) |
総画素数 | 画素密度 (ppi) |
総画素数 | |
8inch | 184 | 921,600 ピクセル |
275 | 2,073,600 ピクセル |
551 | 8,294,400 ピクセル |
1101 | 33,177,600 ピクセル |
16inch | 92 | 138 | 275 | 551 | ||||
27inch | 54 | 82 | 163 | 326 | ||||
32inch | 46 | 69 | 138 | 275 | ||||
50inch | 29 | 44 | 88 | 176 | ||||
75inch | 20 | 29 | 59 | 117 |
Cisco Webex Room Kit 仕様
Cisco Webex Room Kitを確認
圧縮規格:H.264 or H.265
ビデオ入力 HDMI x1
ディスプレイ仕様、FPS、最小帯域幅によって、それぞれパラメータを変えることができる。
- HD (720p) / FPS:30 / 最小帯域幅:768 kbps
- HD (720p) / FPS:30 / 最小帯域幅:1.2 Mbps
- Full HD ( 1080p ) / FPS:30 / 最小帯域幅:1.5Mbps
- Full HD ( 1080p ) / FPS:60 / 最小帯域幅:2.6Mbps
- 4K (2160p) / FPS:30 / 最小帯域幅:2.6Mbps ※最大
- 等々
ビデオ出力 HDMI x2
2 つの HDMI 出力が可能
- 4K (2160p)/ FPS:60
- Full HD (2K) (1080p)/ FPS:60
- 等々
Microsoft Teamsの利用帯域
Teamsでは利用帯域の目安が「最小」、「推奨」、「最高のパフォーマンス」の3段階で公表されている。
一部利用頻度の高い部分を抜粋する。
https://docs.microsoft.com/en-us/microsoftteams/prepare-network
引用
ビデオ会議
※【上り/下り】
ビデオ通話 [最小帯域幅要件]
最大240pの解像度、画面共通コンテンツのフレームレートはAdaptive1.875~7.5fps
ビデオ通話[推奨帯域幅要件]
最大1080pの解像度、画面共通コンテンツのフレーム レートは Adaptive 7.5 から 30fps
ビデオ通話[最高のパフォーマンス]
ガイダンスでは、大規模な出席者の会議向けのハイファイ ビデオ、高損失環境で、かつ画面共有フレームレートがAdaptive 15 から 30fps
最小帯域 | 推奨帯域 | 最高のパフォーマンス | |
1対1 | 150kbps/150kbps 【上り/下り】 | 1.5Mbps/1.5Mbps【上り/下り】 | 4Mbps/4Mbps【上り/下り】 |
会議 | 150kbps/200kbps【上り/下り】 | 2.5Mbps/4Mbps【上り/下り】 | 4Mbps/4Mbps【上り/下り】 |
ビデオ会議 + 画面共有
※【上り/下り】
ビデオ通話 [最小帯域幅要件]
最大240pの解像度、画面共通コンテンツのフレームレートはAdaptive1.875~7.5fps
ビデオ通話[推奨帯域幅要件]
最大1080pの解像度、画面共通コンテンツのフレーム レートは Adaptive 7.5 から 30fps
ビデオ通話[最高のパフォーマンス]
ガイダンスでは、大規模な出席者の会議向けのハイファイ ビデオ、高損失環境で、かつ画面共有フレームレートがAdaptive 15 から 30fps
最小帯域 | 推奨帯域 | 最高のパフォーマンス | |
1対1 | 200kbps/200kbps 【上り/下り】 | 1.5Mbps/1.5Mbps【上り/下り】 | 4Mbps/4Mbps【上り/下り】 |
会議 | 250kbps/250kbps 【上り/下り】 | 2.5Mbps/2.5Mbps【上り/下り】 | 4Mbps/4Mbps【上り/下り】 |