ルーティングプロトコルの再配布(redistribute)について、ルータを擬人化し各国の言語に例え簡単に解説します!
再配布についてイマイチ理解できない場合、助けになれば幸いです。文字で書くと複雑で難しいなと思うのですが、何をやっているか概要を掴めば、それほど難しいことをしているわけではありません。
ざっくり言うと、再配布は「ルーティングプロトコルA」の情報を「ルーティングプロトコルB」に教えることで
教える場合、ルーティングプロトコルAとルーティングプロトコルBの宛先までの「遠さ※」の基準がプロトコルごと違うので、それを決めてあげる。ということをします。
※遠さとは・・・ルーティングプロトコルによって、CostだったりMetricだったり言葉が違うので遠さと表現しました。
OSPFの場合、シードメトリックなどと呼ばれます。詳しくはこちら
“]
解説するNW構成図
図1は簡単な3拠点のNW構成図です。
図2で擬人化して説明しますが
まず、図1の内容を文字で書くとこんな感じになります。
————————————————–
本社:
LAN内はBGPで、各拠点とのルーティングはOSPFを利用する。
再配布については、BGPルートをOPSFへ、OPSFルートをBGPへ相互に行う。
拠点間のCostは図の通りである。
拠点1:
LAN内はEIGRPで、本社・拠点とのルーティングはOSPFを利用する。
再配布については、EIGRPルートをOPSFへ、OPSFルートををEIGRPへ相互に行う。
本社・拠点間のCostは図の通りである。
拠点2:
LAN内はRIPv2で、本社・拠点とのルーティングはOSPFを利用する。
再配布については、RIPv2ルートをOPSFへ、OPSFルートをRIPv2へ相互に行う。
本社・拠点間のCostは図の通りである。
————————————————–
擬人化して再配布を考える
図2では、図1内容を以下のように変換して考えます。
本社を日本(人)、拠点1をドイツ(人)、拠点2をインド(人)として考えます。
日本国内の状況について書きます(他の国も考え方は同じです)
・日本国内の人々はみんな地図を持っています(=ルーティングテーブル)
・日本国内の人々はみんな地図について話をすることが大好きで1日中話をしています。
・日本国内で地図の話をする時は、日本語で話します(=BGPで話をします)
・英語と日本ができるのは、「赤枠」の人だけです(赤枠の人は再配布を実施するルータです)
・他国の人と地図の話をする時は、赤枠の人が世界共通語の英語で話します(=OSPFで話をします)
・他国の地図について知りたい場合、赤枠の人が英語⇒日本語に翻訳して日本国内の人々に他国の地図情報を教
えます(再配布:赤枠の人がいないと再配布はできません)
・日本の地図について他国の人に教えたい場合は、赤枠の人が日本語⇒英語に翻訳して他国の人に教えます
(再配布:赤枠の人がいないと再配布はできません)
各国の人が地図情報を教え合うことができれば
日本からドイツに行きたい場合、ドイツの住所が地図に書き加えられます。また、日本からドイツまでの遠さが把握できるので、どのように行けば最短で行けるかがわかます。この場合、日本⇒インド⇒ドイツ経由で行くとば最短で行けることが分かります。
日本にいるにいる聖徳太子?
(左)聖徳太子と(右)聖徳太子はそれぞれ、ドイツまでの遠さに関する地図をもらうことになります。
(左)聖徳太子はドイツまでは9000kmあることをドイツの赤枠の人から教えてもらえます。
(右)聖徳太子はドイツまでは8000kmあることをインドの赤枠の人から教えてもらえます。
結果、日本国内の人々は(右)聖徳太子の情報を元にドイツに行くのが良いと知ります。
まとめ
1.ルーティング再配布とは、通常「ルーティングプロトコルA」の情報は「ルーティングプロトコルB」に教えな
いのですが、特別に教えてあげる行為のことです。 言い換えると、通常BGPの情報をOSPFにルートは教えない。
2. 1を教えてあげる場合、教えてあげるルーティングプロトコルに合った「遠さ」の基準に翻訳します。
3. 再配布するということは、「赤枠の人」になれる設定をルータにするということです。