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1台のルータでOSPFとEIGRPを動かして経路を分ける方法

1つのルータで2種類のダイナミックルーティング(OSPF/EIGRP)を同時に動かすことにより、例として
音声通信ルートはOSPFに載せてルータ1側を通し、データ用通信ルートはEIGRPに載せてルータ2側を通すというような要件を満すことができます。このような制御は、他に色々方法はありますが障害時経路を考慮した場合、比較的複雑な事をしなくても切替え可能です。今回はOSPFとEIGRPを利用しますが、どちらかをBGPに変えても対応可能です。

参考になるケース

特定のサーバ・クライアント間だけは、別経路(別WAN、別ルータ)で通信してほしい。などの要件
があった場合役に立ちます。

今回のNW構成

OSPF&EIGRP1

通信用件

通信要件1
[PC1]  ⇔  [PC4]の通信はルータを通す経路

通信要件2
[PC2]  ⇔  [PC5][PC3]  ⇔  [PC5] の通信はルータを通す経路

方針

EIGRP設定概要

  • 全ルータでEIGRPの設定をする
  • ルータ①とルータ④でLAN側のConnectをEIGRPで再配布する
  • LAN to LAN通信ではルータ③経由の方が近くなるようMetricを調整する

OSPF設定概要

  • 全ルータでOSPFの設定をする。
  • ルータ①にPC1アドレス再配用:ip route 192.168.1.1 255.255.255.255 null 0 250
  • ルータ④にPC4アドレス再配用:ip route 172.16.1.1 255.255.255.255 null 0 250
  • ルータ①とルータ④でStaticルートを再配布する。
  • LAN to LAN通信ではルータ②経由の方が近くなるようCostを調整する

主要コンフィグ

ルータ①

router eigrp 1
network 12.1.1.0 0.0.0.255
network 13.1.1.0 0.0.0.255
redistribute connected metric 100000 1 255 1 1500
!
router ospf 1
redistribute static subnets
network 12.1.1.0 0.0.0.255 area 0
network 13.1.1.0 0.0.0.255 area 0
ip route 192.168.1.1 255.255.255.255 Null0 250
!
nterface Ethernet0/0

ip address 12.1.1.1 255.255.255.0
ip ospf cost 1000
delay 200
!
interface Ethernet0/1
ip address 13.1.1.1 255.255.255.0
ip ospf cost 2000
delay 100
!
interface Ethernet0/2
ip address 192.168.1.254 255.255.255.0

ルータ④

router eigrp 1
network 24.1.1.0 0.0.0.255
network 34.1.1.0 0.0.0.255
redistribute connected metric 100000 1 255 1 1500
!
router ospf 1
redistribute static subnets
network 24.1.1.0 0.0.0.255 area 0
network 34.1.1.0 0.0.0.255 area 0
ip route 172.16.1.1 255.255.255.255 Null0 250
!
interface Ethernet0/0

ip address 24.1.1.4 255.255.255.0
ip ospf cost 1000
delay 200
!
interface Ethernet0/1
ip address 34.1.1.4 255.255.255.0
ip ospf cost 2000
delay 100
!
interface Ethernet0/2
ip address 172.16.1.254 255.255.255.0
ルータ①より
ip route 192.168.1.1 255.255.255.255 Null0 250

ルータ④より
ip route 172.16.1.1 255.255.255.255 Null0 250
・/32のセグメントでOSPFにより再配布したいために、Static routeを設定しています。
・Static routeの再配布しか使わないため、Next hopはNull 0としています。
・OSPFのAdministrative Distance値(120) を優先するため、ADを 1 -> 250 に変更

ルーティングテーブル確認

ルータ①

show ip route 抜粋

O E2 172.16.1.1/32 [110/20] via 12.1.1.2, 00:22:20, Ethernet0/0
⇒172.16.1.1/32 宛のパケットに関しては、Netxt がルータ②になりました。

D EX 172.16.1.0/24 [170/307456] via 13.1.1.3, 00:21:52, Ethernet0/1
⇒ 172.16.1.0/24 宛のパケットに関しては、Netxt がルータ③になりました。

ロンゲストマッチの法則から、PC4宛はOSPFでルータ②へ向かいます。

ルータ④

show ip route 抜粋

O E2 192.168.1.1/32 [110/20] via 24.1.1.2, 00:24:34, Ethernet0/0
⇒192.168.1.1/32 宛のパケットに関しては、Netxt がルータ②になりました。

D EX 192.168.1.0/24 [170/307456] via 34.1.1.3, 00:24:23, Ethernet0/1
⇒ 172.16.1.0/24 宛のパケットに関しては、Netxt がルータ③になりました。

ロンゲストマッチの法則から、PC1宛はOSPFでルータ②へ向かいます。

まとめ

  • 2種類のダイナミックルーティングで経路を分けることができます。
  • ロンゲストマッチを利用して、特定宛先/32をOSPFに載せる。それ以外はEIGRPでルーティング
  • /32をOSPFに載せるため、スタティックルート設定する(ADは110より大きくする)
  • 障害時、片方の経路が使えなくなってもルーティングプロトコルにより自動的に片寄される
  • 本コンフィグは、GNS3で再現しているため最低限のコンフィグのみになります。

 

OSPFALL
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