無線LANの運用すると問題が起こった場合の原因追及が難しいことが多々あります。
ユーザ申告では、「無線に繋がらない」「無線通信が遅いや不安定」「無線が切れる」などなど
2.4GHzの場合は、モバイルWIFIやテザリングによる電波干渉が多い印象です。
(WLANコントローラの有無や性能により深刻度が可変する)
5GHzの場合は、外部レーダ波の干渉です(事前に認識済みですが)
最近では無線システムの可視が進んでいるので、改善速度が速くなると思います。
2.4G帯と5G帯チャネル比較
2.4GHz帯特徴
CH | (GHz) | GHz | GHz | 幅(GHz) | |
1 | 2412 | 2401 | ~ | 2423 | 22 |
2 | 2417 | 2406 | ~ | 2428 | 22 |
3 | 2422 | 2411 | ~ | 2433 | 22 |
4 | 2427 | 2416 | ~ | 2438 | 22 |
5 | 2432 | 2421 | ~ | 2443 | 22 |
6 | 2437 | 2426 | ~ | 2448 | 22 |
7 | 2442 | 2431 | ~ | 2453 | 22 |
8 | 2447 | 2436 | ~ | 2458 | 22 |
9 | 2452 | 2441 | ~ | 2463 | 22 |
10 | 2457 | 2446 | ~ | 2468 | 22 |
11 | 2462 | 2451 | ~ | 2473 | 22 |
12 | 2467 | 2456 | ~ | 2478 | 22 |
13 | 2472 | 2461 | ~ | 2483 | 22 |
14 | 2484 | 2473 | ~ | 2495 | 22 |
- チャネル1,6,11を利用
- 生活圏を含め多くの機器がこのチャネル帯を利用しているため干渉源が多い
- 屋外利用不可
- 5G帯と違い、屋外レーダからの干渉は無い
5GHz帯(W52)帯
- 4チャネル存在する
- 5GHz帯の中で唯一外部レーダの影響が無い(移動衛星からの干渉は無い)
- 5GHz帯利用時、安定した通信をするためにW52を利用する
- 基本屋外利用は不可だが、特定条件下では可能となる。
5GHz帯(W53)帯
- 4チャネル存在する
- 主に気象レーダによる、外部干渉を受ける
- 気象レーダを阻害しないよう、DFSによりチャネル変更を行う必要がる(必須)
DFS = Dynamic Frequency Selection - 基本屋外利用は不可
5GHz帯(W56)帯
- 4チャネル存在する
- 主に船舶 / 航空レーダによる、外部干渉を受ける
- 船舶 / 航空レーダを阻害しないよう、DFSによりチャネル変更を行う必要がる(必須)
DFS = Dynamic Frequency Selection - 基本屋外利用は不可
ボンディング
2.4G帯はCHが3つしかないので、ボンディングはできません。
5G帯のボンディング例
ボンディングよるメリット
- 帯域が広がり通信速度を上げる事ができる
ボンディングよるデメリット
- 利用可能なCHが減少する。
DFS
平成29年度総務省資料引用 https://www.soumu.go.jp/main_content/000547741.pdf
無線APがDFSでレーダ波を検知した場合の動作(例)
- なぜレーダが干渉してしまうのか?
気象レーダや船舶 / 航空レーダが無線LAN W53/W56と同じ無線周波数を使っているため。 - なぜDFSの仕組みがあるのか?
気象レーダや船舶 / 航空レーダは非常に重要な電波で、無線LANがそれを妨害することになるため
無線LAN側の電波を停止しすることを義務付けれられている。 - 1日何回くらいレーダ波を検知するのか?
場所にもよると思いますが、以前観測した現場では1日2~3回レーダ波を検知しました。 - レーダ波干渉の対策
⇒事前に1週間程度レーダ波の受信を観測し、受信したCHを利用しない設計/設定をする。
または、レーダ波干渉の無いW52のみを使う。
まとめ
- 2.4GHz帯の利用可能CH数は3
- 5GHz帯の利用可能CH数は20
- 5GHz帯 全て40MHzのボンディング時の利用可能CH数は10
- 5GHz帯 全て40MHzのボンディング時の利用可能CH数は5
- 5GHz帯 全て40MHzのボンディング時の利用可能CH数は2
- W52 外部レーダ波の干渉が無い
- W53 気象レーダ干渉の認知
- W56 船舶 / 航空レーダ干渉の認知
レーダ波を検知した場合、1分程の通信断が発生する